建築学科に入る前後で、パソコン選びに悩む人は多いと思います。 高い買い物だから失敗したくないのに、「建築にはどっちがいいの?」という問いは、人によって答えが違って、調べるほど迷っちゃいますよね。
これから入学を控える高校生のみなさんや、保護者の方の、パソコン選びの参考になれば幸いです。この記事では、主な建築ソフトのMac対応状況と、大学が公式に出しているPCの要件の例、そして「MacでWindowsを動かす」Parallels Desktopの基本を、公式情報をもとに整理しました。
結論から言うと、Macを買う前に、学科の案内を確認するのがいちばん大切です。ポイントは次のとおりです。

パソコンまわりの言葉は、むずかしくて分かりづらいですよね。この記事でも、なるべく分かりやすく書いていますが、どうしても専門用語が出てきます。先に簡単に説明しておくので、分からなくなったらここに戻ってきてくださいね。
建築学科では、パソコンのソフトを使って、図面を描いたり、建物を立体でつくったりします。ソフトは、大きく5つのジャンルに分けられます👇
| ジャンル | ひとことで言うと | 代表的なソフト |
|---|---|---|
| BIM(ビム) | 建物の「データ」までまとめてつくる | Revit・Archicad・Vectorworks |
| CAD(キャド) | パソコンで図面を描く | AutoCAD・Jw_cad |
| 3Dモデリング | 建物や形を立体でつくる | Rhinoceros・SketchUp・Blender |
| レンダリング | 3Dを写真みたいに仕上げる | Lumion・Twinmotion・Enscape・V-Ray |
| 画像・DTP | 作品集やプレゼン資料をつくる | Illustrator・Photoshop・InDesign |
それぞれのソフトをもっとくわしく知りたい人は、こちらの記事をどうぞ!
ジャンルごとに、Macで使えるかどうかを、次のマークでまとめました👇
| ジャンル | ソフト | Mac | ひとこと |
|---|---|---|---|
| BIM | Revit | × | Windowsのみ |
| BIM | Archicad | ◎ | Apple Siliconにも対応 |
| BIM | Vectorworks | ◎ | 動作環境は年度ごとに公式で確認 |
| CAD | AutoCAD | ○ | Mac版あり。最新の要件は公式で確認 |
| CAD | Jw_cad | × | Windowsのみ(無料のソフト) |
| 3Dモデリング | Rhinoceros | ◎ | Apple Siliconにも対応 |
| 3Dモデリング | SketchUp | ◎ | Mac版あり |
| 3Dモデリング | Blender | ◎ | Blender 5.0以降はApple Siliconが必須 |
| レンダリング | Lumion | × | Macは公式サポート外 |
| レンダリング | Twinmotion | ○ | 一部の機能とVRはMac非対応 |
| レンダリング | Enscape | △ | 主にWindows。公式で確認 |
| レンダリング | V-Ray | ○ | 連携するソフト次第。GPUレンダリングは限定的 |
| 画像・DTP | Illustrator・Photoshop・InDesign | ◎ | Mac版あり |

建築士試験の合格者が多い大学の中から、4校の公式資料を見てみました。国土交通省が発表した、令和7年(2025年)の一級建築士試験(設計製図)の学校別合格者数でも、この4校は、日本大学(1位)、芝浦工業大学(2位)、早稲田大学(5位)、明治大学(7位)と、上位に入っています。
| 大学・学科 | Mac | Windowsの要件 | 使うソフトの例 |
|---|---|---|---|
| 芝浦工業大学 建築学部 建築学科(2026年度) | △ | Windows 11、メモリ32GB以上、ストレージ512GB以上。CPUの種類も指定あり。ARM型は不可 | 資料では、3次元CADなど重いソフトを多用、とだけ記載 |
| 明治大学 理工学部 建築学科 | △ | Windows 11、メモリ16GB以上、ストレージ512GB以上(SSD推奨)、できれば高性能なGPU | CADでの製図、3Dモデリング、シミュレーションなど |
| 早稲田大学 創造理工学部 建築学科(2026年度入学予定者向け) | ○(自己責任) | メモリの数値指定はなし。Cドライブは500GB以上がおすすめ。GPU搭載が重要、HDMI出力も必要 | Rhino 8(1年必修)、Revit、AutoCAD(選択科目) |
| 日本大学 理工学部 建築学科(2026年度) | - | Windows 11が推奨。メモリ16GB以上(32GBならスムーズ)、SSD 512GB以上、GPUはRTXなど。予算の目安は20〜25万円 | AutoCAD、Rhinoceros 8、Twinmotion・Lumionなど、Illustrator、Photoshop |
取得できた公式資料では、Windowsを前提にしている大学が多く、Macについては「推奨しない」「避けて」「自己責任で」という書き方でした。MacBookを選ぶ前に、所属する(する予定の)学科の案内を、必ず読んでくださいね!
ここまで読んで、「えー、Macってダメなの…?」と思った人もいるかもしれません。 デザインがおしゃれだし、普段から使っていて慣れているし、友だちとおそろいにしたい気持ちも、すごく分かります。
それに、Macで使える建築ソフトも、たくさんあります。Rhino・SketchUp・Archicad・Blenderなど、ジャンルごとに、Mac対応のソフトが見つかります。ただ、授業で使うソフトの中に、Windows専用のものが入っていることがあるんです。
そこで、「Macを使いたいけれど、Windowsも必要」という人のために、次の章から、MacBookを選ぶときのポイントと、Windowsを使う方法を紹介します👇
Macを選ぶなら、ソフトの公式要件から考えると、メモリが重要です。主な目安はこちらです👇
| 用途 | 公式に書かれている目安 |
|---|---|
| SketchUp | RAM 8GB以上 |
| Rhino for Mac | 推奨メモリ8GB |
| Archicad | 住宅規模の建物は、M1チップ・メモリ16GBが目安 |
| Parallels Desktop(Windowsを動かす) | 16GB以上を推奨 |
学生の課題で扱う規模なら、16GBあれば足りることが多い、というのが筆者の考えです。あくまで参考にしてください。ただ、大学によっては、もっと大きな容量を求めています。たとえば、芝浦工業大学(建築学部)は32GB以上、日本大学は16GB以上(32GBならスムーズ)と書かれているので、学科の要件を先に確認しましょう。
Apple公式サイトでは、MacBook Airは現在M5チップ搭載で、メモリは16GBまたは24GB(カスタマイズで32GB)が選べます。構成によって価格は異なります)。
授業で使うソフトが、Windows専用だったときは、大きく2つの方法があります。
① Macとは別に、Windowsのパソコンを用意する
言葉のとおり、Macとは別に、Windowsのパソコンを用意する方法です。Macも使えますし、Windows専用のソフトも使うことができます。
② Macの中で、Windowsを動かす(仮想環境)
Mac1台で、Windowsのソフトも動かす方法です。次の章で紹介する「Parallels Desktop for Mac」などを使います。この方法について、次の章で詳しく説明していきます。
「Macの中でWindowsを動かす」場合は、使いたいソフトが動くかどうかを、購入前に確認するのが大切です。たとえば、Revitの場合、Autodeskの公式ヘルプのシステム要件には、仮想環境のひとつとして、「Parallels Desktop for Mac」の名前が挙がっています。
ただ、いまのMacの主流であるApple Silicon搭載機では、Windows 11のARM版を動かすことになります。この環境でRevitが公式にサポートされているかどうかは、Autodeskの公式ページで確認してみてください。購入前に、次の3つをチェックしておくと安心です👇
早稲田大学の資料でも、RevitやRhino 8のアドインソフトはWindowsでしか動かない、と書かれています。
Parallels Desktop for Macは、Mac上にWindowsを仮想環境として動かすソフトです。公式サイトで確認できた主なポイントはこちら👇
ここまでの内容を、状況別に整理してみました。自分に近いものを見てみてください。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 学科がWindowsを前提にしている | Windowsを選ぶのが無難。学科の要件(CPU・メモリなど)を満たす機種を選ぶ |
| 学科がMacも可としている | 使うソフトのMac対応を確認したうえで、Macも選択肢に |
| Macを使いたいが、Windows専用ソフトも必要 | 別のWindows機か、仮想環境(Parallelsなど)を検討。動作・サポートはソフトごとに確認 |
| 予算を抑えたい | 再生品(整備済みのPC)も選択肢。学科の要件を満たすか確認 |
予算を抑えたい人は、再生PC(整備済みのPC)という選択肢もあります。新品との違いや、買う前のチェックポイントは、こちらの記事でまとめました👇
気になりそうな疑問を、Q&Aでまとめました。
Boot Campは、Intel Macで、Windowsを入れて切り替えて使う機能です。いまのMacの主流であるApple Silicon搭載機では、使えません(Rhino公式の記載)。Windowsを使いたい場合は、仮想環境(Parallelsなど)を使うことになります。
Parallelsの公式サイトでは、大学・大学院・その他の教育機関の在学生や新入生、教職員が対象とされています。学生証などで確認します。条件は、公式サイトで確認してくださいね。
必要です。Parallels Desktopとは別に、Windowsのライセンスを用意します。
ソフトは、使ってみるのがいちばんの近道です。気になるソフトが決まったら、ケンチク超会議に載っている、ソフトを学べるイベントも参考にしてみてくださいね👇
開催日:2026年10月7日(終了)、10月21日(水)12:00〜13:00
開催形式:オンライン(アーカイブ録画の配信・質疑応答なし)
参加費:無料
対象:Revitを使い始めて1年半程度までの方、BIMオペレーター、Revitを使う建築設計者
申込締切:2026年10月21日 11:30
※2回は別イベントのため、それぞれ個別に申込が必要です。
▼このイベントを見る
Revitビギナー向けセミナー|プロファイルファミリの活用と建具ファミリの基本をオンラインで学ぶ
パソコンは、これから何年も一緒に課題や卒業設計を乗り越えていく相棒です。 「好み」ももちろん大切ですが、その前に、学科の必携要件と授業で使うソフトの動作環境だけは確認しておいてください! Macには魅力があるし、Windowsが必要な場面があるのも事実。どちらを選んでも、納得して選べたなら、それがいちばんの正解だと思います。
Parallelsは、Mac上でWindowsを動かす選択肢のひとつ。ただ、動作や公式サポートはソフトごとに違うので、購入前に使いたいソフトの公式情報を確認して、無料トライアルで試してみるのがおすすめです。
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