もし、構造や予算、敷地条件から完全に自由になれたとしたら、あなたはどんな建築を想像するでしょうか。
昨晩見た夢の中にあった空間。頭の中だけに存在する理想の建築。現実にはまだつくられていないアンビルト・アーキテクチャ。そんな自由な発想を、一枚のトートバッグへ表現する学生向けコンペティションが始まっています。
総合資格学院が主催する「第3回 建築学生のためのトートバッグデザインコンテスト」。今回のテーマは、「夢の建築」です。
対象となるのは、建築系の高校、高専、専門学校、短期大学、大学1〜2年生。審査員長を建築家の伊東豊雄氏が務め、審査員には建築家の妹島和世氏、テキスタイルデザイナー・コーディネーターの安東陽子氏が参加します。
エントリーは2026年12月25日(金)23:59まで。作品提出は2027年1月12日(火)23:59までです。公式ページでも現在エントリー受付中として案内されています。
第3回のテーマは、
『夢の建築』
です。
「夢」と聞いたときに思い浮かべるものは、人によって大きく異なります。
眠っている間に見る不思議な景色かもしれません。いつか実現したい理想の空間かもしれません。あるいは、重力や構造、コストといった現実の物理的条件から解放された、まだ存在しない建築かもしれません。
今回のコンテストでは、そうした自由な発想から生まれる「夢の建築」を、トートバッグという身近な媒体へ落とし込みます。
建築として本当に施工できるかどうかだけを競うコンペではありません。
「こんな建築があったらいい」「こんな空間と一緒に街へ出かけたい」
という建築学生自身の感性や想像力が、作品の出発点になります。
普段、建築学生が取り組む設計課題では、敷地が設定され、用途や必要諸室を考え、図面や模型によって建築を提案します。
今回のコンペでは、そのスケールが大きく変わります。
舞台は一枚のトートバッグ。
建築をそのまま小さく描く必要はありません。空間の断片、構造、窓、階段、都市の風景、光や影、建築から感じた感覚など、何を「建築」として取り出すのかも参加者自身が考えます。
建築を学ぶなかで身につけた形を見る力、構成する力、余白を考える力。それらを図面や模型とは違う方法へ置き換えてみる。
「建築を表現する方法は、建築を設計することだけではない」と気づけるのも、このコンペの面白さです。
審査員長を務めるのは、建築家の伊東豊雄氏です。
伊東氏は、せんだいメディアテーク、台中国家歌劇院、みんなの森 ぎふメディアコスモスなど、国内外で数多くの建築を手掛けてきた日本を代表する建築家の一人です。
建築が形や機能だけで完結するのではなく、人や自然、都市との新しい関係をどのようにつくれるのかを長年問い続けてきました。
構造や合理性から一度離れ、「こんな建築があったら」と自由に想像する今回のテーマを、伊東氏がどのような視点で見るのかにも注目です。
審査員には、建築家の妹島和世氏と、テキスタイルデザイナー・コーディネーターの安東陽子氏が参加します。
妹島氏はSANAAとして西沢立衛氏とともに国内外で活動し、金沢21世紀美術館やROLEXラーニングセンターなどを手掛けてきました。
そして今回特徴的なのが、建築家だけでなく、テキスタイルを専門とする安東氏が審査へ参加することです。
建築をトートバッグへ表現する今回のコンペでは、建築としての発想だけではなく、布という素材、グラフィック、色、持ち歩いたときの見え方まで作品の一部になります。
建築とテキスタイル、それぞれ異なる視点から作品を見る3名の審査員構成も、第3回の大きな特徴です。
今回の応募資格は、建築を学び始めた比較的若い世代へ絞られています。
対象となるのは、応募時点で建築系に在籍する、
高等学校・高等専門学校・専門学校・短期大学・大学1〜2年生
です。
ここでいう「建築系」には、建築だけではなく、インテリア、環境、まちづくりなども含まれます。
一方で、建築系以外の学生と、大学3年生以上は対象外です。
卒業設計や高度な設計技術を競うコンペではなく、これから建築を学んでいく学生の自由な発想や感性を引き出すことが、今回のコンテストの大きな狙いといえそうです。
このコンテストならではのポイントが、作品がパネル上だけで完結しないことです。
最優秀賞に選ばれたデザインは、実際のトートバッグとして製作されます。
さらに、そのバッグは全国の参加者へ配布される予定です。
自分の考えた「夢の建築」が、一つのグラフィックとしてバッグになり、それを別の建築学生が持って街へ出る。
設計コンペで模型やパネルが展示されるのとは少し違う形で、自分の作品が現実の世界へ出ていくことになります。
「トートバッグとして一緒に街に出かけたくなる夢の建築」という視点から考えてみるのも、作品をつくるヒントになりそうです。

「夢の建築」というテーマでは、現実性だけを考える必要はありません。
物理的な条件から解放されたアンビルト建築(Unbuilt Architecture)も、主催者が挙げる「夢」の一つです。
重力を無視した建築でもいいかもしれません。海の中、空の上、地球とはまったく違う環境でもいい。現在の技術では実現できない空間を考えることもできます。
もちろん、自分が将来つくりたい住宅や、理想の公共空間など、現実に近い夢を描くこともできます。
重要なのは、「正しい建築」を描くことより、自分自身にとって建築の何が面白いのかを表現することです。
若い建築学生にとって、今回の審査員構成は大きな魅力です。
伊東豊雄氏、妹島和世氏という世界的に活動する建築家に、自分の作品を実際に審査してもらえる機会はそう多くありません。
しかも、大学3年生以上を対象外としているため、設計経験の長い上級生と同じ土俵で競うコンペではありません。
建築を学び始めてまだ日が浅くても応募できます。
「まだコンペに出せるほど設計がうまくない」と感じている高校生や大学1年生にも、最初のコンペとして挑戦しやすい設定です。
応募には二つのステップがあります。
まず、2026年12月25日(金)23:59までにエントリーを行います。
専用フォームはこちらです。
その後、エントリー時に登録したメールアドレスへ、作品提出専用フォームが送られます。
作品提出期間は、
2026年11月5日(木)〜2027年1月12日(火)23:59
です。
つまり、作品そのものは年明けまで制作できますが、12月25日までにエントリーを済ませておかなければ応募できません。
「作品が完成してから申し込もう」と考えず、参加を検討している人は先にエントリーしておくのが安全です。
作品提出後は、審査員による審査が行われます。
受賞者発表は2027年2月上旬予定、授賞式は3月予定です。
コンテストの最新情報は、運営事務局のInstagram「建築こんぺいと」でも発信されます。
応募条件や作品提出方法などに更新が入る可能性もあるため、エントリー後も公式ページとInstagramを確認しておくと安心です。
建築を学び始めたばかりだからこそ描ける、まだ現実の条件に縛られていない建築があります。
「いつか、こんな場所をつくってみたい」。
そんな頭の中にある建築を、一枚のトートバッグへ描いてみてはいかがでしょうか。
・建築を学ぶ高校生・高専生
・建築系の専門学校・短期大学で学んでいる方
・建築系大学の1〜2年生
・初めて建築コンペに挑戦してみたい方
・伊東豊雄氏、妹島和世氏に作品を見てもらいたい方
・グラフィックやテキスタイルにも興味がある建築学生
・設計課題とは違う方法で建築を表現してみたい方
・アンビルト建築や空想の建築を考えるのが好きな方
・自分の「夢の建築」を形にしてみたい方
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