東京駅、京都府庁旧本館、そして台湾の名建築たちが、圧倒的な精度で1つの空間に咲き誇る──。
近代建築の華やかな装飾や素材の質感までを紙製模型で忠実に再現する、建築模型作家・今村仁美氏の作品を一斉展示する「今村仁美のモダン建築模型展@学芸倉庫」が開催されます。
会場は京都駅からもアクセスしやすい学芸出版社の1階「学芸倉庫」。会期は2026年10月31日(土)から11月8日(日)まで、参加費は無料です。同時期に開催される「2026年京都モダン建築祭」の公式連携イベントでもあり、秋の京都で建築巡りを楽しむなら絶対に立ち寄りたい注目スポットです。
本展で展示されるのは、今村氏が長年にわたり日本や台湾に現存するモダン建築を訪ね、調査を重ねて竣工当時の姿を精密に甦らせてきた建築模型の数々です。
展示作品はすべて紙製で、建築の最も美しい正面(ファサード)を切り取る形で制作されています。屋根や柱を彩る華やかな装飾の数々はもちろん、レンガや石、銅板といった素材の質感や風合いまで見事に再現されており、その圧倒的なクオリティはまるで映画のミニチュアセットに迷い込んだかのよう。見る者を時間を忘れて引き込みます。
今回の展示で最も大きな見どころとなるのが、初公開となる京都の名建築〈京都府庁旧本館〉(S=1:125)の模型です。ネオルネッサンス様式の端正な佇まいと、明治期ならではの威風堂々とした庁舎建築の姿が、細部まで精巧に立ち現れます。
さらに見逃せないのが、建築史に名を残す“師弟”の豪華な競演です。日本の近代建築の父・辰野金吾が設計した〈東京駅丸の内駅舎〉と、その弟子であり京都府技師の松室重光が設計した〈京都府庁旧本館〉。リアルな街中では並ぶことのない歴史的建築が、模型だからこそ同じ空間で並び立つ、ファン感涙の贅沢な空間が実現します。
作品のバリエーションも実に多彩です。台湾日式建築の最高峰とされる〈台湾総督府〉(現・台湾総統府)や〈児玉総督後藤民政長官記念博物館〉(現・国立台湾博物館)など、異国情緒と重厚感を併せ持つ台湾の名建築がずらりと勢揃いします。
さらに、壁に掛けて楽しむシリーズとして、ファンズワース邸やサヴォア邸、シュレーダー邸といった世界的なモダニズム建築の名作や、八女福島の町家まで展示。著書も多数手掛ける今村氏ならではの深い洞察と手仕事が生み出す、建築への愛に満ちた世界観を堪能できます。
会期初日の10月31日(土)と11月1日(日)の2日間は、作者である今村仁美氏ご本人の在廊も予定されています。
「京都モダン建築祭」のパスポートをお持ちでない方でも気軽に立ち寄れるオープンな空間ですので、実物の建築巡りと合わせて、手仕事で立ち上がるもうひとつのモダン建築の世界へ足を運んでみませんか?
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